月が大きく見えるのは錯覚?|地平線の月と近い満月の本当の差

月が大きく見えるのは錯覚?|地平線の月と近い満月の本当の差アイキャッチ

「今日の月、大きい!」と感じたことはありませんか。じつは、月が大きく見える理由は2つあり、片方は「錯覚」、もう片方は「本当に少し大きい」のです。この記事では、地平線近くの月の正体と、「スーパームーン」と呼ばれる近い満月の本当の大きさの差を、国立天文台の解説にもとづいてやさしく紹介します。2026年でもっとも地球に近い満月がのぼる12月24日の見方も添えます。

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月が大きく見えるのには、2つの理由がある

月が大きく見えるのには、2つの理由がある

「月が大きく見える」というとき、じつは2つの別の話がまざっています。1つ目は、のぼったばかりの、地平線に近い月が大きく見える話。2つ目は、満月が地球にいつもより近い日に、月が大きく見える話です。

先に答えを言うと、1つ目の地平線近くの月は、ほとんどの場合、錯覚です。2つ目の近い満月は、本当に大きいのですが、その差は、思ったよりもわずかです。順番に見ていきましょう。

地平線近くの月が大きく見えるのは、ほとんど錯覚

地平線近くの月が大きく見えるのは、ほとんど錯覚

のぼったばかりの月や、しずむ直前の月は、ドーンと大きく見えます。ところが国立天文台によると、実際に写真で比べると、地平線近くの月と、高くのぼった月の大きさは、ほとんど変わりません。大きく見えるのは、主に「月の錯視(錯覚のこと)」によるものだと説明されています。

それどころか、理屈の上では、地平線近くの月のほうが、わずかに小さくなります。高くのぼった月は、地球の半径ぶん(約6400km)、月に近い場所から見ていることになるからです。また、空気による光の曲がり(大気による屈折)も、地平線近くの月を、わずかに小さく見せる方向にはたらくそうです。

地平線近くの月と高くのぼった月は、写真で比べるとほとんど同じ大きさで、大きく見えるのは主に錯覚であることを示した図
地平線近くの月が大きく見えるのは、主に錯覚(模式図)

では、なぜ大きく感じるのでしょうか。地平線近くの月は、大気の影響で赤っぽく見えます。「赤くて大きい」ことで、印象が強まる、とも説明されています。ただし、錯覚が起きる原因については、古くから多くの説があり、決定的なものはまだないとされています。いくつかの要因が重なっている可能性もあり、感じ方の度合いには個人差があります。

ある研究では、目から入った情報を脳で解釈する前の、初期の視覚処理の段階で、月の大きさの見積もりが変わっている可能性が示されています。自分の目で試すなら、同じ倍率で月を撮影して、のぼったばかりのときと、高くなってからを、見比べてみると面白いでしょう。

近い満月は、本当に大きい:スーパームーン

近い満月は、本当に大きい:スーパームーン

もう一つの「大きな月」は、本当に大きくなる月です。月は、地球のまわりを楕円(たまごのように少しつぶれた円)の道すじで回っているため、地球との距離が変わります。国立天文台によると、地球と月の平均距離は約38万4400kmです。満月のときに、月が地球に近いと、その満月は、いつもより大きく見えます。この、地球に近い満月が、スーパームーンと呼ばれています。

国立天文台は、「スーパームーン」は天文学の正式な用語ではなく、定義もはっきりしていないと説明しています。「とても近い」の基準を、たとえば37万km以下にするのか、36万9000km未満にするのかなど、決まった線引きがないためです。

では、どれくらい大きいのでしょうか。国立天文台が2016年に示した例では、1年でいちばん大きい満月といちばん小さい満月を比べると、直径で約14%、面積で約30%の差があります。数字だけ見ると大きく感じますが、国立天文台は、夜空を見て、この違いを感じるのは難しいと述べています。

いちばん遠い満月に比べて、いちばん近い満月は直径で約14%、面積で約30%大きいことを示した図
いちばん遠い満月と近い満月の大きさの比較(模式図)

2026年でいちばん近い満月は、12月24日

2026年でいちばん近い満月は、12月24日

2026年は、クリスマスイブの12月24日に、もっとも地球に近い満月がのぼります。満月の中では、この日がいちばん大きく見える満月ということになります。ほかの月の満月より少し大きく見えるはずですが、前に見たとおり、差は、見比べないとわかりにくい程度です。

おすすめは、月がのぼってくる夕方から夜のはじめです。地平線に近い月は、錯覚で大きく感じられやすいので、近い満月の効果と重なって、いっそう迫力がある月に見えるかもしれません。空が晴れていれば、東の空の低いところに注目してみてください。

よくある質問

Q. 地平線近くの月は、本当に大きくなっているのですか?

いいえ。国立天文台によると、写真で比べると、地平線近くの月と高くのぼった月の大きさは、ほとんど変わりません。大きく見えるのは、主に錯覚によるものです。

Q. スーパームーンは、見てすぐにわかるほど大きいのですか?

国立天文台は、いちばん大きい満月といちばん小さい満月で、直径が約14%違う例を示しています。ただし、夜空を見て、この違いを感じるのは難しいと述べています。

Q. スーパームーンには、決まった定義がありますか?

国立天文台によると、スーパームーンは天文学の正式な用語ではなく、定義もはっきりしていません。どれくらい近ければそう呼ぶのか、決まった基準はありません。

Q. 2026年でいちばん大きい満月は、いつですか?

2026年は、12月24日の満月が、地球にもっとも近い満月になります。

まとめ:地平線の月は錯覚、近い満月は本当に大きいが、差はわずか

まとめ:地平線の月は錯覚、近い満月は本当に大きいが、差はわずか

のぼったばかりの月が大きく見えるのは、主に錯覚で、写真で比べると大きさはほとんど変わりません。いっぽう、地球に近い満月は、本当に大きく、いちばん大きい満月と小さい満月で、直径に約14%の差があります。12月24日の月は、見比べる楽しみのある、2026年でいちばん近い満月です。

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この記事を書いた人

はじめまして、星空ログ編集部です。「星空をもっと身近に」を合言葉に、初心者向けの望遠鏡選びといった実用的な情報から、知って得する天体雑学まで、宇宙にまつわるさまざまなコンテンツをお届けしています。日々刻々と変わる夜空の魅力を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。

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