宇宙飛行士が船外活動で身につける、あの白い宇宙服。実はあの1着、車や家どころではない、とんでもない値段がすることをご存じでしょうか。その額、なんと約10億円以上。「ただの服でしょ?」と思うかもしれませんが、宇宙服は服ではなく「一人用の小さな宇宙船」ともいえる、超ハイテクな装備なのです。この記事では、宇宙服がなぜそれほど高価なのか、その衝撃の値段の理由を、初心者の方にもわかるようにやさしく解説します。読み終えるころには、あの白い一着が違って見えてくるはずです。
宇宙服1着の値段は、約10億5000万円

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の情報によると、国際宇宙ステーションで使われている船外活動用の宇宙服は、1着あたりおよそ1000万ドル……日本円で約10億5000万円とされています。高級スポーツカーが何十台も買えてしまう金額です。しかも、これは「1着」の値段。宇宙飛行士が船の外で作業するために欠かせない、まさに命を守るための装備に、それだけの費用がかけられているのです。
なぜそんなに高いの?中身は「小さな宇宙船」

10億円の内訳を見ると、その理由が見えてきます。宇宙服のうち、服の本体部分は約100万ドル(約1億円)。残りの約900万ドル(約9億5000万円)は、なんと背中に背負う「生命維持装置」の値段です。この装置が、呼吸のための酸素を送り、体温を調整し、二酸化炭素を取り除くなど、宇宙飛行士の命を支えるすべてを担っています。つまり宇宙服の値段の大半は、この「一人用の生命維持システム」の代金なのです。宇宙服が「着る宇宙船」と呼ばれるのも、うなずけます。
宇宙服が守るのは「過酷すぎる環境」

宇宙服がこれほど高性能でなければならないのは、宇宙空間があまりに過酷だからです。空気がなく、太陽の当たる側と日かげ側では温度が100度以上も変わり、目に見えない放射線もふりそそぎます。さらに、小さなちりが弾丸のような速さで飛んでくることも。こうした危険から体を守りながら、手を自由に動かして作業できるようにする……その一つひとつに高度な技術が必要で、それが値段にそのまま表れているのです。ちなみに手袋(グローブ)は宇宙飛行士一人ひとりの手に合わせて作られ、1枚あたり約2万ドル(約220万円)もします。
次世代の宇宙服も開発が進んでいる

現在、人類を再び月へ送る「アルテミス計画」に向けて、40年ぶりとなる新型の宇宙服の開発が進められています。より動きやすく、月面での作業に適した次世代モデルです。宇宙開発が進むほど、宇宙服もまた進化を続けています。高価であることは変わりませんが、それは人類が宇宙で活動するための、欠かせない投資だといえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. なぜ宇宙服はどれも白い色をしているのですか?
白は太陽の光や熱をよく反射するため、宇宙服が高温になりすぎるのを防げるからです。宇宙では日なたと日かげの温度差が非常に大きいため、熱くなりにくい白が選ばれています。目立ちやすく、宇宙飛行士を見つけやすいという利点もあります。
Q. 宇宙服は1着をずっと使い回すのですか?
宇宙服は非常に高価なため、使い捨てではなく、部品を交換・整備しながらくり返し使われます。サイズもパーツの組み合わせである程度調整できるようになっており、複数の宇宙飛行士が共用することもあります。それだけ大切に、長く使われる装備なのです。
まとめ:宇宙服は「着る宇宙船」、だから約10億円

宇宙服1着の値段は、約10億5000万円。その大半は、酸素の供給や体温調整を担う「生命維持装置」の費用です。空気も温度の安定もない過酷な宇宙で、宇宙飛行士の命を守る「着る宇宙船」……そう考えれば、この値段にも納得がいきます。ニュースで船外活動の映像を見かけたら、あの白い一着が10億円の超ハイテク装備なのだと、ぜひ思い出してみてください。

