太陽は黄色でも赤でもない?|宇宙から見た本当の色と見え方が違うワケ

太陽は黄色でも赤でもないアイキャッチ

太陽は、絵に描くと黄色やオレンジ色になりがちな天体です。でも、宇宙から見た太陽は、ほぼ白だといわれています。この記事では、太陽の光が白い理由と、地上から黄色っぽく見える理由を、やさしく紹介します。

目次

太陽の色は、何色に見えますか?

子どものころ、太陽をクレヨンで黄色やオレンジ色に塗った人は多いのではないでしょうか。晴れた日の空に見える太陽も、ほんのり黄色っぽく感じることがあります。

ところが、太陽が出している光そのものは、黄色ではなく、ほぼ白だと考えられています。「黄色く見える」ことと、「黄色い光を出している」ことは、別の話なのです。まずは、太陽が出している光の色から見ていきましょう。

宇宙から見ると、太陽はほぼ白

宇宙から見ると、太陽はほぼ白

地球の大気の外、つまり宇宙から見ると、太陽は白っぽい球に見えます。黄色やオレンジ色には見えません。

光の色は、光を出している物体の温度とも関係します。国立天文台の太陽の解説では、太陽の表面(光球)の温度は約6000度とされています。これほど高温の物体が出す光には、赤から紫まで、さまざまな色の光がふくまれています。

白い光は、いろいろな色の集まり

白い光は、いろいろな色の集まり

白い光は、「白」という色が1つあるわけではありません。イギリスの科学者ニュートンは、太陽の光をプリズム(ガラスでできた三角形の道具)に通すと、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の、虹のような色に分かれることを示しました。さらに、分けた光をもう一度集めると、白い光に戻ります。つまり、白い光とは、いろいろな色の光が混ざったものです。

太陽の白い光がプリズムを通ると、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色に分かれることを示す図
白い光をプリズムに通すと、虹の色に分かれる(模式図)

太陽の光も同じです。太陽は、ほぼすべての色の光を出しています。光を色ごとに分けて調べると、とくに強いのは緑から黄緑のあたりの光です。それでも、赤や青など、ほかの色の光もたくさん混ざっているため、全部を合わせた光は白っぽく見えます。

いちばん強い色が緑なのに、太陽が緑色に見えないのは、この混ざり方のためです。1つの色だけが飛びぬけているのではなく、いろいろな色がそろっているから、白に近くなります。

光を色の順にならべると、何が見える?

光を色の順にならべると、何が見える?

光を色ごとに分けて、順番にならべたものを「スペクトル」といいます。太陽のスペクトルを細かく調べると、色の帯のところどころに、細くて暗い線が見えます。これは、太陽の表面近くにあるガスが、特定の色の光を吸収するためにできる線です。

この暗い線は、地球の大気ではなく、太陽のほうで生まれています。線の位置を調べると、太陽にどんな物質があるのかを知る手がかりになります。太陽の光は、ほぼ全部の色がそろった「白」を土台にして、ところどころ細かく欠けた模様をもっている光なのです。

地上から黄色っぽく見えるのは、大気のせい

地上から黄色っぽく見えるのは、大気のせい

それなのに、地上から見る太陽が黄色っぽく見えるのは、なぜでしょうか。理由は、地球をおおう大気にあります。太陽の光は、空気の中を通るあいだに、青い光ほど散らばりやすい性質があります。青い光が少し減ることで、太陽は黄色っぽく見えるのです。

宇宙から見ると太陽はほぼ白で、地球の大気を通ると青い光が散らばるため、地上では黄色っぽく見えることを示す図
宇宙から見た太陽と、地上から見た太陽の色のちがい(模式図)

光は、空気をつくる小さな粒にぶつかると、進む向きを変えられます。これが「散らばる」ということです。青い光はとくにぶつかりやすいため、太陽の光から少しずつ抜けていきます。そのぶん、空のあちこちが青く光って見えるのが、青空です。

朝や夕方は、太陽が地平線に近くなり、光が大気の中を通る道のりが長くなります。すると、青い光がさらに減り、太陽は黄色から、オレンジ、赤へと変わっていきます。この仕組みは、空が青く見える理由とつながっています。

太陽の色は、国によって違って見える?

太陽の色は、国によって違って見える?

ここまでで、太陽の光はほぼ白で、地上では大気を通って黄色っぽく見えることがわかりました。ところが、太陽を何色と思い浮かべるかは、国や文化によっても違うようです。

2023年に行われた世界100カ国の調査では、太陽の色として黄色を思い浮かべる人が最も多く、赤やオレンジが続きました。日本ではオレンジが多く、韓国・中国・ベトナムでは赤が多かったそうです。日本の子どもが描く太陽も、赤やオレンジが目立つという調査があります。日の丸の影響を指摘する研究者もいますが、はっきりした原因はわかっていません。朝夕は赤く、昼は黄色っぽく、宇宙では白い。太陽は、どの色にも見える天体なのです。

星の色とくらべてみると

星の色とくらべてみると

夜空の星には、赤っぽい星や青白い星があります。星の色は、おもに表面の温度のちがいで決まります。太陽も、そうした恒星の1つです。温度と色の関係は、次の記事でくわしく紹介しています。

よくある質問

Q. 太陽はほんとうに白いのですか?

宇宙から見ると、ほぼ白に見えるといわれています。地上で黄色っぽく見えるのは、地球の大気の影響が大きいためです。

Q. 夕日が赤く見えるのはなぜですか?

夕方は、太陽の光が大気の中を通る道のりが長くなります。青い光がさらに散らばって減り、赤っぽい光が残るため、赤く見えます。

Q. 太陽は、目に見えない光も出していますか?

はい。太陽は、目に見える光のほかに、紫外線や赤外線なども出しています。この記事の「白」や「黄色」の話は、目に見える光についての話です。

Q. 太陽を直接見て、色を確かめてもいいですか?

いいえ。太陽を直接見ると、目を傷めるおそれがあります。太陽を直接見ないようにし、専用の観察道具を使ってください。

まとめ:太陽の光はほぼ白で、黄色く見えるのは大気を通るから

まとめ:太陽の光はほぼ白で、黄色く見えるのは大気を通るから

太陽は、ほぼすべての色の光を出していて、宇宙から見ると白っぽい球に見えます。地上で黄色っぽく見えるのは、地球の大気を通るあいだに、青い光が散らばって減るからです。次に空を見上げるときは、「いま見えている色は、大気を通った後の色」と思い出してみてください。

太陽の光については、届くまでにかかる時間の話もおもしろいので、あわせてどうぞ。

なお、太陽を観察するときは、太陽を直接見ないようにし、専用の観察道具を使ってください。

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この記事を書いた人

はじめまして、星空ログ編集部です。「星空をもっと身近に」を合言葉に、初心者向けの望遠鏡選びといった実用的な情報から、知って得する天体雑学まで、宇宙にまつわるさまざまなコンテンツをお届けしています。日々刻々と変わる夜空の魅力を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。

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