スマート天体望遠鏡「Vespera III」「Vespera Pro 2」発売|光学系刷新でどう変わった?

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フランスVaonis(ヴァオニス)社のスマート天体望遠鏡「Vespera(ヴェスペラ)」シリーズに、新世代モデル「Vespera III(ヴェスペラ3)」と最上位モデル「Vespera Pro 2(ヴェスペラ・プロ2)」が登場しました。日本国内総代理店の株式会社サイトロンジャパンが2026年7月28日に発売しています。光学系が刷新され、スマート望遠鏡としては珍しい機能も搭載されました。何が変わったのか、発売情報とあわせて紹介します。

目次

そもそも「スマート天体望遠鏡」とは

スマート天体望遠鏡とは、天体の導入(見たい天体に望遠鏡を向けること)・ピント合わせ・追尾・画像のスタック処理(複数枚の写真を重ね合わせてノイズを減らし、淡い天体をくっきり写す処理)までを、スマートフォンやタブレットからの操作でほぼ全自動でおこなえる望遠鏡です。Vesperaシリーズは2023年の国内発売以来、初心者からベテランまで幅広く支持されてきたシリーズで、当サイトのロードマップでも「スマート望遠鏡の選び方」として比較記事を予定しています。

何が発売されたのか

今回同時発売されたのは、次の3製品です。価格はすべて株式会社サイトロンジャパンのプレスリリースに基づく予想市場価格で、実際の価格・在庫状況は変動する場合があります。

Vespera Pro 2(VEP50-II)

Vesperaシリーズの最上位モデルです。天体からのシグナルと背景光のバランスをリアルタイムで最適化する画像処理エンジン「BalENS」を搭載し、マスターダーク(ノイズ除去の基準となる暗い画像データ)を自動取得するイメージキャリブレーション機能も備えます。カーボン三脚・ハードキャリングケースが標準付属です。

VESPERA Pro 2

【光学系】口径:50mm/焦点距離:245mm/F値:F4.9/その他機能:高性能フィールドフラットナー、遮光環【センサー】センサーの種類:Sony IMX676(カラー)/画素数:3536 × 3536(約1,250万画素)/フォーマット:1/1.6型/寸法:7.0 × 7.0mm/ピクセルサイズ:2μm【画像とライブモザイク撮影】単一フレーム画素数:約1,250万画素/モザイク撮影時の最大画素数:約5,000万画素/単一フレーム画角(実視野):1.6° × 1.6°/モザイク撮影時の最大画角(実視野):4.18° × 2.45°/ピクセル分解能:1.6秒/ピクセル【ストレージと画像フォーマット】内蔵ストレージ:225GB/表示画像フォーマット:JPEG 8 bit/単一画像フォーマット:FITS 16 bit/スタック済み後処理用画像フォーマット:TIFF 16 bit/マルチナイト観測管理スロット数:30【電源】バッテリー駆動時間:約11時間/対応充電ケーブル USB Type-C(同梱されていません)【寸法・質量】寸法:48×20×9cm/質量:5kg

メーカー直販価格:568,000円(税抜)

Vespera III(VEP50-III)

Vespera III

Pro 2から画像処理エンジンなど一部機能を省いた新世代モデルです。光学系の刷新は共通で、価格を抑えつつ性能を求める人向けの位置づけです。

【光学系】口径:50mm/焦点距離:245mm/F値:F4.9【その他機能】高性能フィールドフラットナー、遮光環【センサー】センサーの種類:Sony IMX585(カラー)/画素数:3840 × 2160(約830万画素)/フォーマット:1/1.2型/寸法:11.2×6.3mm/ピクセルサイズ:2.9μm【画像とライブモザイク撮影】単一フレーム画素数 約830万画素:モザイク撮影時の最大画素数:約2,400万画素/単一フレーム画角(実視野):2.5°×1.4°/モザイク撮影時の最大画角(実視野):4.33°×2.43°/ピクセル分解能:2.39秒/ピクセル【ストレージと画像フォーマット】内蔵ストレージ:115GB/表示画像フォーマット:JPEG 8 bit/単一画像フォーマット FITS 16 bit/スタック済み後処理用画像フォーマット TIFF:16 bit/マルチナイト観測管理スロット数 :15【電源】バッテリー駆動時間:約11時間/対応充電ケーブル USB Type-C(同梱されていません)【寸法・質量】寸法 48×20×9cm/質量:5kg

メーカー直販価格:478,000円(税抜)/発売日:2026年7月28日

何が新しくなったのか

今回のモデルでは、光学系が刷新されています。3群4枚構成のフラットフィールド・アポクロマート設計(色にじみ(色収差)を抑えつつ、視野の端まで像がゆがみにくいレンズ構成)が採用され、よりシャープで色収差の少ない星像が得られるようになりました。

もうひとつの注目点が、鏡筒内部への迷光防止遮光環(バッフル:鏡筒内で余計な光が反射し、写真のコントラストを落とすのを防ぐ内部構造)の搭載です。メーカーによるとスマート望遠鏡でこの構造を持つのは現時点でVesperaシリーズが唯一とのこと。都市部など光害のある環境でもコントラストを保ちやすくなっています。

このほか、複数の夜にまたがるモザイク撮影(視野を広げて複数コマに分けて撮影し、あとで1枚に合成する撮り方)を自動でつなぎ合わせる「マルチナイト観測」や、撮影スケジュールをあらかじめ設定しておける「撮影プラン機能」など、全自動化の機能も強化されています。

どんな人におすすめ?

価格帯は48万〜57万円と、これから天体観測を始める方の最初の1台としては高価格帯です。一方で、光軸調整(レンズ・鏡の向きを合わせる作業)や天体導入の知識がなくても、スマートフォンの操作だけで天体写真を撮影できる手軽さは、望遠鏡の操作に時間をかけたくない方や、天体写真をこれから本格的に楽しみたい方に向いています。

初めての1台を検討している方は、まず入門用の望遠鏡や双眼鏡から始めることをおすすめします(詳しくは望遠鏡の選び方ガイド・双眼鏡の選び方ガイドをご覧ください)。

まとめ

Vespera III・Vespera Pro 2は、光学系刷新と迷光防止バッフルの搭載により、スマート天体望遠鏡の中でも画質面での進化を打ち出したモデルです。価格帯は上級者・本格志向の方向けですが、操作性の高さはこのシリーズならではの魅力。今後、当サイトでも他のスマート望遠鏡との比較記事を予定しています。

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この記事を書いた人

はじめまして、星空ログ編集部です。「星空をもっと身近に」を合言葉に、初心者向けの望遠鏡選びといった実用的な情報から、知って得する天体雑学まで、宇宙にまつわるさまざまなコンテンツをお届けしています。日々刻々と変わる夜空の魅力を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。

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