冬の夜、東の空から昇ってくる、ひときわ明るい青白い星。ふと目を引くその星が、夜空でいちばん明るい恒星、シリウスです。
夜空でいちばん明るい恒星
シリウスは、おおいぬ座にある恒星で、見かけの明るさはマイナス1.46等とされています。太陽をのぞくと、夜空で最も明るい恒星です(月や金星などの惑星は、恒星ではありません)。
日本では、昔から「天狼星(てんろうせい)」とも呼ばれてきました。冬の大三角や冬の大六角の一角でもあり、冬の星空の目印です。
明るい理由は「近さ」と「光の強さ」
シリウスが明るく見えるのは、2つの理由が重なっているからです。
- 近い:地球からの距離は約8.6光年で、恒星としては太陽に近いほうです。
- それなりに強く光っている:実際の明るさは、太陽の約25倍です。
明るいといっても、宇宙全体で見れば特別に強く光る星ではありません。近くにあることが、あの明るさを生み出しています。
シリウスには、小さな相棒がいる
シリウスは、じつは2つの星でできた連星です。主星の「シリウスA」のそばに、白色矮星(年老いた星が小さく縮んだもの)の「シリウスB」が回っています。シリウスBは、地球ほどの大きさに、太陽に近い質量がぎゅっと詰まった、とても重い星です。
ただし、シリウスBは主星より約10等級も暗く、近くにシリウスAのまぶしい光があるため、小型の望遠鏡で見つけるのは難しいです。口径の大きな望遠鏡と、空気の安定した夜が必要です。
シリウスの観察のコツ
- 冬の南の空を見る:オリオン座の三ツ星をたどると、シリウスが見つかります。
- 低い空では、色が変わって見える:地平線に近いと、大気の影響で、赤や緑に細かく光ってまたたくことがあります。
- 双眼鏡は、手ブレに注意:三脚を使うか、手すりに腕をのせて固定すると、見やすくなります。
シリウスについてのよくある疑問
Q. シリウスは太陽より大きいのですか?
シリウスAは太陽より少し大きく重い星ですが、巨大な星というほどではありません。見かけで明るいのは、近いからです。
Q. 日本ではいつ見えますか?
冬の夜、南の空で高く見えます。夏はほとんど見えません。
Q. 色が変わって見えるのは、なぜですか?
地球の大気のゆらぎによる現象で、シリウスが実際に色を変えているわけではありません。
星空観察の入口に
シリウスは、明るくて見つけやすく、色の変化や連星といった話題も多い星です。冬に夜空を見上げるときは、まずこの星から探して、そこから冬の大三角や大六角へ視線を広げてみてください。

