教科書から「9番目の惑星」が消えた日を覚えていますか。冥王星は、2006年に惑星から準惑星へと呼び名が変わった、いちばん有名な天体です。
冥王星はなぜ「準惑星」になったのか
2006年8月、国際天文学連合(IAU)の総会で、初めて惑星の定義が決められました。惑星の条件は、次の3つです。
- 太陽のまわりを回っている
- ほぼ球形になるだけの質量がある
- 軌道の近くから、ほかの天体を排除している
冥王星は1と2を満たしていますが、3を満たしません。冥王星のまわりの軌道には、同じような氷の天体がたくさん散らばっているためです。そのため「準惑星」に分類されました。冥王星が小さくなったわけでも、仲間はずれにされたわけでもなく、「惑星とは何か」を決めたことで、種類が整理されたのです。
距離がはるか遠い、氷の世界
冥王星は太陽からとても遠く、公転には約248年かかります。1930年に発見されてから、まだ一周していません。太陽の光は弱く、表面は氷でおおわれた極寒の世界です。
2015年には、NASAの探査機ニューホライズンズが接近し、はじめて詳しい姿をとらえました。ハート型に見える明るい領域(愛称トンボー領域)があり、窒素の氷河や氷の山々も見つかりました。冷え切った天体と思われていた冥王星に、活発な地形があったことは大きな驚きでした。
冥王星は見える? 観察のコツ
冥王星は約14等級より暗いとされ、小型の望遠鏡や双眼鏡では見られません。口径の大きな望遠鏡と、詳しい星図が必要で、初心者が最初に狙う天体ではありません。まずは、惑星の観察に慣れてから挑戦するのがおすすめです。
「見る」より「知る」ことが楽しい天体なので、ニューホライズンズの画像やニュースをたどってみるのもよいでしょう。
冥王星についてのよくある疑問
Q. 冥王星は惑星ではなくなったのですか?
太陽系の「惑星」ではなくなりましたが、「準惑星」という種類の天体として今も研究されています。
Q. 準惑星は冥王星だけですか?
いいえ。国際天文学連合は、冥王星のほかにエリス、ケレス、マケマケ、ハウメアを準惑星としています。ケレスは、火星と木星の間の小惑星帯にあります。
Q. 惑星の定義は、これで決まりですか?
IAUの定義は広く使われていますが、研究者のあいだにはさまざまな意見があり、議論は今も続いています。
太陽系の広がりを想像するきっかけに
冥王星は、見かけは暗く小さな天体ですが、太陽系の分類や探査の歴史を知るきっかけになります。名前が変わった経緯とあわせて、太陽系の外縁がどこまで広がっているのかを想像してみてください。

