1. 星座名・学名・略符・読み方
りゅうこつ座/学名:Carina/略符:Car/読み方:りゅうこつざ
2. 見つけ方
おおいぬ座の1等星シリウスから南へ視線をたどり、さらに地平線近くまで下りていくと、りゅうこつ座の1等星カノープスが見つかります。カノープスは太陽を除くと全天でシリウスに次いで2番目に明るい恒星で、低空のため赤みを帯びて見えるのが特徴です。りゅうこつ座はもともと古代の巨大な星座「アルゴ座」の一部で、南隣にはみなみじゅうじ座が位置しています。


3. 観測に適した季節・時間帯
カノープスが夜更け前に南中する1月下旬〜2月上旬の21時ごろが見つけやすい時期とされています(年ごとの詳細なタイミングは要一次情報確認)。南の地平線近くに視界を遮るものがなく、大気の澄んだ夜を選ぶことが観測のコツです。
4. 日本からの見え方
カノープスを見ることができる理論上の北限は北緯37.9度付近とされ、日本ではおおむね東北地方南部より南の地域に限られます。東京(北緯36度付近)では南の地平線からわずか2度ほどの高さにしか上らず、鹿児島では約6度、沖縄・那覇では約10度まで昇るため、南に行くほど見つけやすくなります。りゅうこつ座本体の大部分は日本からは地平線の下に隠れたままです。
5. 神話・由来
りゅうこつ座はもともと、ギリシャ神話でイアソン率いるアルゴナウタイが金羊毛を求めて乗り込んだ船「アルゴ号」を表す、古代からの巨大な星座「アルゴ座」の一部でした。金羊毛の由来となった牡羊こそ、おひつじ座のモチーフです。アルゴ座はあまりに広大だったため、18世紀にフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカイユによって竜骨(りゅうこつ座)、とも(とも座)、帆(ほ座)の3つに分割され、1922年の国際天文学連合の設立総会でこの分割が正式に採用されました。
6. 含まれる代表的な天体
α星カノープスは太陽の約8倍の質量、太陽の1万倍以上の光度を持つ輝巨星で、地球からの距離は約310光年です。η星(エータ・カリーナ)は太陽の100倍以上の質量を持つ大質量連星で、19世紀に「グレート・エラプション」と呼ばれる大増光を起こしたことで知られ、天の川銀河内で次に超新星爆発を起こす候補の一つとされています。周囲にはエータカリーナ星雲(NGC3372)が広がり、ホムンクルス星雲や、2022年にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した「宇宙の断崖」の愛称で知られるNGC3324などの星形成領域を含んでいます。散開星団IC2602は「南天のプレヤデス」とも呼ばれます。
7. 豆知識・トリビア
高度が低く赤みがかって見えることから、中国の伝説ではカノープスは寿老人の星「南極老人星」とされ、単に老人星・寿星とも呼ばれます。戦乱の時代には見えず、天下が泰平になると現れるという俗信があり、この星が見えると人々は幸福と長寿を祈ったといわれます。日本の房総半島沿岸では、この方角に位置する漁港の名にちなみ「布良星(めらぼし)」という別名でも呼ばれてきました。
8. 観測に便利な機材
地平線ぎりぎりの低空にあるため、南の方角が開けた、光害の少ない場所を選ぶことが何より重要です。双眼鏡を使うと大気による減光の影響を受けにくくなり、赤みを帯びたカノープスの色合いも確認しやすくなります。
9. 関連する用語事典項目へのリンク
散開星団/超新星/光害/おひつじ座/おおいぬ座/みなみじゅうじ座
見ごろ早見表
| 時期 | 時間帯の目安 | 方角・高さ |
|---|---|---|
| 1月下旬〜2月上旬 | 21時ごろ | 南の低空(沖縄で高度約10°) |
| 12月〜3月 | 夜間全般 | 南の空、南に開けた場所ほど見やすい |

